2019年5月発売の「灯争大戦」から2020年1月発売の「テーロス還魂記」の、気になるカードを購入してコレクションしていました。
コレクションする理由としては
・そのカードが好きだから(気に入ったから)
というのが一般的だと思います。
僕はこの理由プラス、どうせ買うなら価値が高くなりそうなポイントも考えて買ったカードがあります。
いわゆる投資目的です。
ここが重要なのですが、投資目的と言ってもコレクションとしてという理由もあるので、たとえ失敗しても個人的なダメージはそこまでありません。(財布的なダメージはでかいですが)
しかし、どうせ投資をするなら真面目に考えて購入しよう。
そんな感じでやってみました。
そして2020年3月時点で、その結果はどうなったのかをまとめていきたいと思います。
2020年4月には新エキスパンション「イコリア:巨獣の棲処」が発売されます。
この「イコリア:巨獣の棲処」は通常BOXにボックストッパーが付いてくるので、とても楽しみなエキスパンションです。
今回の投資結果の傾向が今後のエキスパンションやセットを購入するにあたって、何か参考になったら良いなぁと思います。
投資をする場合は、傾向の確認や情報収集は必須です!
若干、株についての話も絡めていくので「株もちょっと興味あるけど良く分からないんだよね」って方は、少しだけ参考になるかもしれません。
投資の基本:安い時に買って高い時に売る
株にしてもTCGにしても投資をするならこれが基本です。
当たり前でしょ?と思うかもしれませんが、この安い時を見極めることが大事です。
例えば¥2,000で売られているカードがあったとして、これは安いのか高いのかそれとも妥当なのか。
・安い → 今後、高くなる理由がある
・高い → どこかで下がる見込みがある
・妥当 → 今後も変化が見込めない
少なくとも、今後の値動き理由の仮説を立てて購入するかどうか判断する必要があります。
これで「安い」と判断した場合は、売るタイミングをしっかり決めてから購入をします。
これは、あくまでも利益目的の場合の話で、TCGの場合は高くても妥当でも対戦で使うなら購入するのが普通です。ただ売らないにしても安い時に買った方が経済的な面では良いので情報収集はした方が無難です。
実はこれが、よくMTGが株に似ていると言われる1つの理由かと思います。
株を購入する場合
・銘柄のチェック
・業績が安定しているか今後伸びそうか
・株価のチェック
など情報を収集して、その株の買い時と売り時を見ていきます。
これらの情報を収集して、この株は今後伸びそうか(安い位置にいるのか)を調べて購入する感じです。
そして、高くなったタイミングで売って、その差分を利益として得るという動きになります。
MTGに置き換えると
・カード(銘柄)のチェック
・そのカードが活躍しているか、メタられていないか
・シングル価格(株価)のチェック
といった感じで見ることができます。
仕組みは単純ですが、株の方が調べる内容や確認ポイントが多いです。
株はまだよく分かんないけど興味があって、MTGもやってるという方はMTGで少し練習してみるのも良いかもしれません。
株もMTGも利益を出すための基本的な考え方は「安い時に買って、高い時に売る」というのは一緒です。
というわけで今回は、この「安い時に購入する」を考えてカードを集めてみました。
結果が良かったパターン:灯争大戦で買ったカードはどうなった?
「灯争大戦」の注目株がやはりこれでしょう。
「戦慄衆の将軍、リリアナ」天野先生イラストVerのFoilカード
僕は2枚購入しています。
購入金額
・¥120,000
・¥129,800
MTG専門店「晴れる屋」さんの買取価格(2020年3月26日時点)
・¥180,000(通常パック版)
このタイミングで2枚ともショップで売れば、約¥110,000の利益になります。
ちなみに晴れる屋さんの販売価格は通常パック版の状態NMで¥360,000です。
この価格とまではいきませんが、この60%~80%の価格でヤフオクやメルカリで売ることもできると思います。そうすればさらに利益が上乗せできます。
さらに僕は、このうち1枚をPSA鑑定にかけています。
鑑定済みのカードは
・偽物ではないという可能性が極端に高まること
・カードの状態を維持しやすくなること
・点数により状態の判断がつきやすいこと
ということから、鑑定されていないカードより価格が上がる傾向になります。
実際のヤフオクの実績を見てみましょう。
参考:wisdom guild
なんとBGS鑑定で評価10の場合¥730,000です(;’∀’)
BGSの10評価はほんとに取りにくいのでかなり貴重なのが理由です。
PSA鑑定の10評価でも最高額が¥598,000の実績です。最低でも¥381,000の買値が付いています。
ということはPSA鑑定10の天リリFは
¥120,000(購入額)+¥6,000(鑑定代)で¥126,000の投資金額です。
このタイミングでヤフオクに出すと最低でも¥380,000で売れる可能性が高いので、
差し引くと¥254,000の利益には持っていくことができそうです。
コレクション性が高いカードは狙い目
・誰が見ても綺麗な素敵なイラスト
・大半の人が欲しいと思える内容
・集めたくなる魅力
このような要素を持っているカードは、価格が上がりやすいです。
売る人が多ければ価格は下がりますし、買う人が多ければ価格が上がります。
コレクション性が高いカードは
・買う人が多い
・手放す人が少ない
ということが起こる可能性が高いです。
売る人 < 買う人
となって価格が高くなっていきます。
灯争大戦の日絵リリアナは初動からおかしい価格だった
このカードは非常にコレクション性が高いと思います。
特にFoilカードになると希少性が加わるので、さらに高いです。
しかし、僕は最初に購入することを躊躇(ちゅうちょ)しました。
それは何故なのか?
・今までのMTGのシングル価格の相場を大幅に上回っていた
この理由があったからです。
天リリF(略します)の初動の販売価格はなんと
¥40,000~¥80,000
※幅があるのはそれぞれショップで違ったため
この価格は、今までスタンダードで発売されたパックから出るどのカードよりも初動が高かったのです。
これは警戒します。
この価格帯は天野先生のブランドを加味してもMTGの価格推移の歴史上、非常に高い部類に入るわけです。
この価格は「お祭り騒ぎで盛り上がった一過性のもの」と判断してもおかしくない現象です。
実際、僕はそう判断しました。
この価格は高すぎる。今までの傾向から下がるはず。どうせ最終的に高くても¥20,000~¥30,000くらいに落ち着くだろう。
こんな心理です。
しかし、これからこの価格は下がらずにむしろ上がっていったのです。
価格が上がった理由としては
・ブースターパックの封入率の低さ
・買う人がいる
需要と供給の「需要」が上回ったためです。
初動最大¥80,000でも買う人がいる人気カード。さらにパックから当たる確率の低さ。
価格が上がる理由としては充分です。
市場心理に影響されやすいカード
株とかで「市場心理」とかいう言葉を使う時があります。
企業の業績が悪くなるという噂が流れたりして、自分の持っている株が危ないんじゃないのか?と思い手放す人が増え株価が下がるようなことがあります。このような心理状態で市場が左右されるようなことを「市場心理」と言います。
天リリFの場合は「下がってしまうのではないか?」という悪い噂ではなく、「上がってしまうので、この値段でも買い」という心理が働いたことが大きいと思います。
そもそも、天リリFに限っては大会の成績などの実績に価格が影響されにくいです。
成績によって価格が左右される場合は情報収集をしっかりしていれば買い時や売り時も判断しやすいですが、天リリFは「人気」、「コレクション」という要素が強いため早く手に入れないと高くなるという心理が働きやすいです。
「皆があの値段でも購入している。しかもさらに値段が上がることを見越している」
欲しいと思う人は焦ります。
そして買う人が増えるため、実際に値段も上がります。「ああ!本当に上がった」という結果を見て値上がりするカードという信用を勝ち得るのです。
というわけで、この市場心理を感じたために12万~13万の時点で僕は購入を決心しました。
結局売るの?天リリFoil
結果としては購入金額の倍の値段くらいで売れるタイミングまで来ています。
しかも、発売してから11ヵ月くらいしか経っていないのにです。
正直言うと、今が割と売るタイミングとしては良いころです。
しかし、売りません。
何故ならコレクションしたいという理由で購入したからです。
個人的には価格は高いけど、安いタイミングで購入できたので良かったという感じになってます。
わぁ!こんなに高いカードを持っているんだぞぉ!という自己満足で色々満足です(笑)
もしかしたら、今後は下がっていく可能性も大いにあります。
その時は、あの時売れば良かったな(´ー`)と思うかもしれませんね。
結果が悪かったパターン:エルドレインで買ったカードはどうだった?
エルドレインと言ったらこのカードですね!
「王冠泥棒、オーコ」
お前どんだけ買ってるんや!?と言われても仕方ない枚数ですね。
これらのカードは初動の時に、値上がりを期待して購入しました。
・強い効果
・コレクション性がある
・新セットの主役級のキャラクター
これらの理由から高騰する要素が多いと判断した為です。
実は上記の画像は、何枚か売ったあとの残り枚数になります。
すべての購入金額
・オーコ 拡張Foil
¥23,800 × 4枚
¥19,500 × 2枚
¥13,800 × 4枚
合計¥189,400
・オーコ 通常絵Foil
¥9,380 × 1枚
¥5,350 × 4枚
合計¥30,780
全オーコ合計¥220,180 の投資金額
売却実績
・オーコ拡張Foil
¥14,900 ×1
¥20,300 ×1
合計¥35,200
・オーコ通常絵Foil
¥8,600 ×2
合計¥17,200
オーコ売却合計¥52,400
総投資金額¥167,780
買取データ
2020年3月27日時点の「晴れる屋」さんの買取価格
・オーコ拡張Foil ¥7,000
・オーコ通常Foil ¥2,500
晴れる屋さんで売りにかけると
・オーコ拡張Foil 合計 ¥56,000
・オーコ通常絵Foil 合計 ¥7,500
合計¥63,500
約¥100,000の損で終わります。
な~む~
損切りをせず、ナンピン買いしたのが損を大きくした
損切りというのは、株価などが下がってしまって今後上がる見込みがないと判断をしてすぐに売ることです。これによって損する金額を最小限に抑えることができます。
この判断を誤ると、まるまる購入金額を損する事態にも成りかねません。
僕は、損切りをせずにまだ上がることを見越してナンピン買いをしてしまいました。
ナンピン買いとは、買ったものが予想外に値下がりした時にそれを買い増しして「平均購入単価」を下げる方法です。
購入単価を下げることで、最初の高い金額で購入した金額で売らなくてもその単価以上で売れば利益に繋がります。
オーコの拡張Foilは全部で10枚購入しています。
合計購入金額は¥189,400です。
これを10枚で割ると1枚当たり¥18,940となります。
僕が一番高額で買ったのは¥23,800です。
なので、最低でも1枚当たり¥18,940~¥23,800の間で売ることができたら損をすることはないのです。
これで僕の売る基準は
・¥18,940以上
となります。
これが実際のオーコの価格推移です。
Foilではなく通常版の金額の動きですが、Foilも同じような動きを取るので参考になります。
山が3つありますね。
僕はこの2つ目の山が上がる時に拡張Foilを1枚売って、さらに3つ目の山が下がる時にもう1枚売っています。
1枚目が¥20,300で2枚目が14,900で売ることに成功しました。
2枚目に関しては、もうこのままでは基準の¥18,940以上で売ることができないと思ったため損切りした形になっています。
¥13,800で4枚購入しているので、その1枚分は取り返した結果です。
しかし、これによって残った8枚の購入単価は若干上がり
¥19,275(1枚当たり)
という結果で終えています。
同様に通常Foilは5枚中2枚売って、残り3枚の購入単価は
¥4,527(1枚当たり)
になりました。
そして、そのまま残りのカードを所持していたために、損を膨らませる結果となったのです。
何故¥14,900で売ったタイミングですべて売らなかったのか?
何故、損切りをしなかったのか?
¥14,900で売れたタイミングで残りの8枚も売ってしまえば、10万を超える損にはなっていないはずです。せいぜい2~3万くらいに抑えることは可能でした。
しかし、僕は「王冠泥棒、オーコ」が欲しかったのです。
デッキ用に4枚、コレクション用に4枚は最低でも持っていたいと思っていたために売却を見送っています。
これが株だったら、ちゃんと損切りしていました。
仕方がない!MTGだもの!!欲しいから買ったんだから。
これが「株の考えた方」の練習にはなりますが、MTGで株をすることはおすすめできない1つの理由となります。
実際、単価を下げて財布的なダメージを減らしたかったため、拡張Foilは8枚ではなく10枚購入をしました。
個人的には最初に買った¥23,800という単価は下回ったので、まだ良かったです。(欲を言えばもう少し下げたかったですが・・)
結果だけ見て何を買っていれば良かったのか?
利益を出すという目的だったら、灯争大戦からテーロス還魂記までのカードで、何を購入しておけば安定していたのかまとめてみます。
※結果論の話です。
「時を解す者、テフェリー」
安定投資として見れば「時を解す者、テフェリー」ですね。
初動5月から6月にかけて¥2,000以下で購入できていれば、安定して利益を出すことが可能でした。
もちろん、天リリFはかなり大きな利益を生み出してくれていますが、元金がそれなりに必要なため安定とまではいきません。
「厚かましい借り手」
「厚かましい借り手」も価格の下降時期に購入できていれば、利益がでていました。
しかし、チャレンジャーデッキに今度収録されるため価格がまた下がる傾向にあります。
手放す場合は早い方が良いです。(チャレンジャーデッキの流通次第では、また上がる可能性はあります)
「エンバレスの宝剣」
¥1,000以下で購入できていれば利益を見込める結果になります。
ただこのカードもチャレンジャーデッキ2020に収録されるので、今後は下がっていく可能性が高いです。
僕も¥1,000で8枚購入しています(はよ売れ)
「タッサの神託者」
「タッサの神託者」はテーロス還魂記で現在最も安定しているカードですね。
初動で¥200くらいで入手できていれば約2.5倍で売れる可能性が高いです。
MTGで雰囲気投資してみた(まとめ)
購入ポイント
・適度にカードパワーが高い
・コレクション性が非常に高い
このどちらかが見えるカードは安いタイミングで買っておけば、後々損することはないように思えます。
ただ、この安いと判断することが重要になると思います。
「エンバレスの宝剣」や「タッサの神託者」に関しては底値が低いので分かりやすいのですが、「時を解す者、テフェリー」や「厚かましい借り手」に関しては底値が¥2,000前後です。これを安いと判断できることができれば、投資が成功しやすいと思います。
特に「天リリF」に関しても底値が高すぎるので判断がしにくいです。
購入を様子見ポイント
・成績が異常に良すぎる
完全にオーコを例にしています。
株に関しては、業績が良くなればなるほど株価が上がって良い売り時がやってきます。
しかし、ことMTGいやTCGに関しては強すぎるカードは危ないです。
急な価格上昇の抑制(禁止改訂)があるからです。
成績が良すぎるカードは注目されがちですが、テコ入れがあることを認識して買いましょう。
さて、MTG投資は「天リリF」以外は利益が出ても生活が楽になるような金額にはなりません。(2020年のスタンダード環境のカードに関してです)
ちょっと、新しいカードが買えるくらいのお小遣い程度の話です。
やるならその程度と思ってやって下さい。
ただ、それぞれ1枚の価格が安いことが良い点で、遊び感覚でやるなら楽しいと思います。
しかし、どっぷりハマッて無駄に枚数を買わないよう気を付けて下さい。
あくまでもカードゲームです。
本来の楽しみ方で主に遊んで、新しい趣味程度で株としても見るくらいの方が良いですよ。
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