マジック:ザ・ギャザリング(以下MTG)のカードにおいて、非常に使い勝手が良く高額な土地カードをご存じでしょうか?
それはショックランドでしょうか?
2色の内どちらかを出せる強力な土地カードですが、ショックという呪文を受けるようなデメリット(2点ダメージ)を支払わないとアンタップで出せないのがショックランドです。
強力ですが、価格も版を拘らなければ平均¥1,500くらいで入手可能です(2020年12月時点)
だったらフェッチランド?
ライフを支払い生け贄に捧げると、デッキ内からカード効果に沿った土地カードを取ってくることができるフェッチランド。
デッキ圧縮効果も期待され、必要な土地が出せるというとても強い土地カードです。
この土地自体が好きな色を出せる訳ではなく、さらに1点ダメージというデメリットもありますがどのデッキでも必須レベルのカードです。
こちらは色別で価格差はありますが、版を拘らなければ大体¥3,000~¥9,000くらいで入手可能です。
これでも充分高額な部類に入るのですが、今回はフェッチランドではありません。
それでしたら、
もう少し昔に遡って、1998年発売のウルザズ・サーガに収録されている「ガイアの揺籃の地」のような伝説の土地カードでしょうか?
特定のマナを条件にあった分だけX点出せる強力な伝説の土地カード。ウルザズ・サーガのトップレアたちですね。
特に「ガイアの揺籃の地」の人気は計り知れなく、平均¥50,000くらいで入手可能になっています(2020年12月時点)。この価格はかなり高額な部類ですね。
しかし、これらの土地カードも充分に強いし高額なカードに分類されるし、他にも似た値段のカードも多数存在します。
ただ、
・・・土地のレアカードと言えば!
・・・これらの原点とは言えば!
というカードがあるんです。
それがデュアルランド!!
デュアルは2つのという意味を持ちます。
なのでデュアルランドという土地は色々ありますが、ここで言うデュアルランドとは、MTGが登場した時に収録されていた最初のデュアルランドになります。
最初期のデュアルランドは、10種類の土地カードが存在します。
そのデュアルランドという土地たちが、MTGの土地カードの中で最もデメリットなしで使い易い、最高に高額なカードになります。
この記事では、そのデュアルランドとはどんな土地なのか書いていきます。
・MTGを最近始めたばかりで、デュアルランドのことは良く分からない!
・なんでそんなに高額なの?
などそんな疑問が解決できるように、MTG初心者向け(そう、僕でも分かるように)説明しますので悪しからず!
初期デュアルランドは10種類存在する
デュアルランドと呼ばれているのは10種類の土地レアカードを総称しています。
デュアル/Dualとは、「2つの」とか「2通りの」という意味です。
そう、デュアルランドとは2つの種類のマナをどちらか選んで生み出せる土地ということになります。
その2通りの色マナの種類が違う土地が10種類あります。
カード名の頭文字アルファベット順で紹介します。
Badlands/バッドランズ
山と沼の土地として扱う。
タップ:(赤)か(黒)を加える。
日本語訳すると「荒地」になります。
バッドランズやバッドランドといった感じで呼ばれています。
Bayou/バイユー
沼と森の土地として扱う。
タップ:(黒)か(緑)を加える。
日本語訳すると「淀んだ入り江」です。
バイユーやベイユーと呼ばれたりしています。
Plateau/プラトー
山と平地の土地として扱う。
タップ:(赤)か(白)を加える。
日本語訳すると「高原」になります。
プラトーやプラトゥーと呼ばれたりします。
Savannah/サバンナ
平地と森の土地として扱う。
タップ:(白)か(緑)を加える。
Scrubland/スクラブランド
平地と沼の土地として扱う。
タップ:(白)か(黒)を加える。
日本語訳すると、「低木地帯」になります。
Taiga/タイガ
森と山の土地として扱う。
タップ:(緑)か(赤)を加える。
日本語訳すると、「針葉樹林帯」になります。
Tropical Island/トロピカルアイランド
森と島の土地として扱う。
タップ:(緑)か(青)を加える。
日本語訳すると、「熱帯の島」になります。
トロピカルランドは略されてトロピーとよく呼ばれます。
Tundra/ツンドラ
島と平地の土地として扱う。
タップ:(青)か(白)を加える。
日本語訳すると、「寒地荒原」になります。
Underground Sea/アンダーグラウンドシー
沼と島の土地として扱う。
タップ:(黒)か(青)を加える。
日本語訳すると「地下海」みたいな感じです。
アンダーグランドシーは略されて、アンシーとよく呼ばれています。
Volcanic Island/ボルカニックアイランド
島と山の土地として扱う。
タップ:(青)か(赤)を加える。
日本語訳すると、「火山島」になります。
よくボルカと呼ばれています。
デュアルランドが入っているパック
この10種類のデュアルランドは、どのパックに入っていたのか。
実はマジック:ザ・ギャザリングの最初のパックから収録されていました。
MTGは1993年に最初のパック「アルファ」が発売されました。
このアルファは、あの有名なパワー9も収録されている伝説のパックです。
パワー9についてはこちらにも詳しく書いてますので、興味がありましたらチラ見して下さい!
最初のパック「アルファ」から収録されていたデュアルランドですが、他のパックにも再録されています。
デュアルランド収録パック
「アルファ」 1993年発売
「ベータ」 1993年発売
「アンリミテッド」 1993年発売
「リバイズド」 1994年発売
※「Volcanic Island/ボルカニックアイランド」は「アルファ」には入ってません
リバイズドまで再録されましたが、あまりにも使い勝手がよく強すぎたため再録禁止カードになりました。
なので、1994年以降のパックでは一度も再録されていません。
今では、これらのパックは希少過ぎて入手困難になります。
当時、スリーブなどカードを守るアイテムもなかったので美品で残っていることも可能性が低いです。
そういうこともあって、デュアルランドは超貴重なカードとして扱われています。
デュアルランドの価値
10種類のデュアルランドはそれぞれ価値が違います。
しかし、価値が違うと言ってもどれも高額です。
10種類全部の価値を紹介したいところですが長くなりますので、一番高額なものと一番安価なものをご紹介します。
・価格は、Wisdom Guildというサイトの価格を参考にさせて頂いています。
・2020年12月4日時点の価格になります。
・他言語で発売されているパックもあるので、すべて英語版の参考価格で統一しています。
1番安価なデュアルランド
Plateau | 最安値 →¥14,300 最高値 →¥360,000 |
1番高価なデュアルランド
Underground Sea | 最安値 →¥58,300 最高値 →¥2,980,000 |
最高値はアルファの価格になります。最高額298万(アンシー)、最低額(プラトー)36万です。他のデュアルランドはその間の値段なります。
最安値はリバイズドの価格になります。さらに状態も悪いものになるので状態が良ければさらに1.5倍位する感じです。
何故、種類によって価格が違うのか?
10種類あって、値段は高いもののピンキリな感じがします。
何故、そんなに価格が変わるのか?
それは単純に、生み出せるマナの需要になります。
とても使われているマナを生み出せるデュアルランドが高くなって、あんまり使われていないマナを生み出すデュアルランドが安くなっているということです。
対戦ゲームなので対戦で使用されてなんぼになります。
それでも安くて万超えです・・・。
コレクションでも人気だということが分かる内容です。
デュアルランドの見分け方
4種類のパックに収録されているデュアルランドですが、見分け方はあるのでしょうか?
アルファ、ベータ、アンミリテッド、リバイズドはパックごとにシンボルマークが付いていないセットになります。マークでの判別はできません。
しかし、見分け方はあります。
アルファ版 | ベータ版 |
アンリミテッド版 | リバイズド版 |
黒枠か白枠か
単純明快で枠の色が黒いか、白いかで見分けます。
黒枠の英語版だったら「アルファ」か「ベータ」です。
白枠だったら「アンリミテッド」か「リバイズド」です。
黒枠の英語版を見かけたら凄い奴だ!と思ってください。
超高額です。
ちなみに黒枠で他言語(イタリア語、フランス語、ドイツ語)は「リバイズド」になります。
さらにボルカニックアイランドだけは、手違いでアルファに収録されていませんので、黒枠だったらベータということになります。
アルファ版とベータ版の見分け方
黒枠同士の見分け方は、
カードの四隅の丸み具合です。
ベータ版の四隅は今のカードと変わらない丸み具合なのですが、
アルファ版はかなりの丸み具合なんです。
なので、あれ?このカードの四隅の丸みが凄い丸くなってる?って思ったらそれはアルファ版!!
凄く貴重なカードなのですぐにスリーブにいれましょう!!
(ベータ版でもヤバいカードなのですが)
アンリミテッド版とリバイズドの見分け方
白枠同士の見分け方です。
これも値段がかなり違うのできちんと見分けたいですよね。
見分け方は簡単です。
テキストにタップマークがあるかないかで判別できます。
タップマーク(T)がないのがアンリミテッド版
タップマーク(T)があるのがリバイズド
非常に簡単ですね!
あと分かりにくいのが、内枠と外枠が立体的に書かれているかどうかでも判別できます。
立体的だったらアンリミテッド版で、そうじゃなかったらリバイズドです。
幻のサマーマジックのデュアルランド
アルファ、ベータ、アンリミテッド、リバイズドの他に幻と言われるサマーマジックというセットに収録されいるデュアルランドがあります。
サマーマジックとは
リバイズドが発売された後に収録されているカードのエラーやイラストを修正したものを改めて発売する予定だったセットがありました。
しかし、その修正版はリバイズドよりさらにエラーが多数発見された為、発売中止となったのです。
その発売中止となったセットが、なななんと手違いで2カートンだけ出荷されたのです。
この手違い出荷事件のことを「サマーマジック」と呼びます。
ただ、発売予定のセットの名称が決まっていなかったので、そのまま「サマーマジック」がセットの名称として呼ばれるようになりました。
ちなみにサマーマジックのカードのデザインはリバイズドと一緒ですが、サマーマジック版にはカード下部に製造年の1994が表記されています。
サマーマジックのカードはめちゃくちゃ高い
絶対数が少ないため、希少過ぎてサマーマジック版のカードはコモンですら凄い高額になっています。
そのトップレアのデュアルランドはもちろん超高額となります。
ベータ版のブラックロータスと並ぶくらいの値段になっているくらいです。
しかし、やっぱりブラックロータスがMTGの価格の王様です。
それはさておき万が一、1994と表記されたデュアルランドを見かけたら物凄く貴重なカードなので、よーく見ておいて下さいね。
デュアルランドは何故ここまで高いのか
デメリットなしで、違う色のマナ2つのどちらか出せる基本土地タイプの土地だからです。
これの優位性はかなりのもので、多色デッキで必要な方の色の土地が来ない場合って結構あります。
その事故が起きることを抑えてくれるデュアルランドは、ゲームを優位に運ぶためにはかなり有能なカードと言えます。
マジック・ザ:ギャザリングはマナがないとほぼ何もできないくらい、マナが重要なカードなのです。
だから、
皆デッキに入れて使う!
皆が使うと、
需要が高まる!
需要が高まると、
値段が上がる!!
さらに再録禁止で初版に近い環境のカードなので
希少価値が高い!!
そうなるとやっぱり、
値段が上がる!!!
といったサイクルになってしまいます。
デュアルランドの調整版
デュアルランドは1994年のリバイズドで再録されて以降、再録禁止カードとなりました。
じゃあ、それ以降のパックからはデュアルランドは手に入らないってことじゃん。昔やってた人が有利過ぎない?と思うかもしれません。
それは安心して下さい。
MTGは1993年から始まり、毎年新しいパックが発売されています。
すでに膨大な量のカードが生み出されているMTGですが、遊べるフォーマットというのが何種類かあるのです。
簡単に分けると
・スタンダード
最新のMTGのセットのみ使用可能なフォーマット。新しいパックがある程度発売されたら使えるセットが変更になります。
・パイオニア
『ラヴニカへの回帰』以降のスタンダードセットに収録されたカードを使用できる、ローテーションなしのフォーマット
・モダン
第8版以降の基本セットと「ミラディン」以降の発売パックのカードが使用可能なフォーマット。
・レガシー
すべてのカードが使用可能なフォーマット。一部のカードが禁止カードとなっています。
・ヴィンテージ
レガシーで禁止になっているカードも使える、本当にすべてのカードが使えるフォーマット。
・統率者
1体のヒーローを決めてそれを中心にしたデッキを組んで遊ぶフォーマット。
・パウパー
レアリティ「コモン」で収録されたすべてのカードのみを使用することができるフォーマット。
の7種類あります。
いわゆる構築ルールで「住み分け」ができているのです。
デュアルランドについてはレガシーとヴィンテージ、統率者でしか使用することができません。
では、モダンやパイオニア、スタンダードではデュアルランドのような土地はないの?と思いませんか。
あるんです。
デュアルランドはデメリットなしでしたが、デメリットありの調整版デュアルランドたちが存在します。
ショック(ダメージ)ランド
効果はデュアルランドと一緒ですが、アンタップで場に出すためやマナを出すためには、ライフを支払うというデメリットが付いている土地カードです。
ラヴニカ・ブロックでショックランドが初登場しました。2点ダメージでアンタップインのデュアルランドになります。
「ラヴニカのギルド」と「ラヴニカの献身」で再録されています。
2019年6月に発売された「モダンホライゾン」でも、
1点支払えばマナが出せる土地が登場しています。
毎回マナを出す度1点は、ボディーブローのように効いてきますので注意が必要です。
しかしモダンホライゾンの土地は、本体を生け贄にすると1枚ドローができるので、土地が潤ったらドローとして使えるのが強力です。
バトルランド
デュアルランドと同じ効果ですが、デメリットとして基本土地を2つ以上場に出していないとタップ状態で場に出てしまいます。
序盤でいきなり出すのが難しいカードです。
2015年発売の「戦乱のゼンディカー」というパックで登場しました。
バトル中盤では問題なく出せるのがショックランドに比べてのメリットです。
調整版でも充分に強い
ショックランドやバトルランドなど、デュアルランドの調整版として登場しています。
これらの土地はデメリットがありますが、やはり違う色のマナを2種類選べるのが非常に強力です。
様々な結果を残しているデッキにも採用されています。
デメリットがあっても採用する価値が大いにあるのに、デメリットなしのデュアルランドってどんだけ凄いカードなんや。って思います。
デュアルランドはすべてのマジックプレイヤーにとって、今となっては憧れであり魅力的であり強力なカードということですね。
デュアルランドについて(まとめ)
本記事では、デュアルランドについて書かせて頂きました。
基本的にはマジック・ザ:ギャザリングを最近始めたMTG初心者の方や、デュアルランドって聞いたことはあるけど良く分からない人に向けに書いております。
この記事を読んで頂いて、さらにMTGに興味を持っていただけたら嬉しいです。
デュアルランドはとても高額なカードです。さらに昔のカードということもあって偽物も多く出回っています。
入手する場合は、信頼できる店舗や偽物判定してしている店舗を利用することをオススメします。
フリマアプリでも出回っていますが、偽物かどうかの判断が難しいのであまりオススメはできません。
どうしてもフリマアプリを利用するのであれば、カードラッシュさんが偽物判定をしてくれるシステムがある『magi』が良いかもしれません。
僕も利用することがありますが1つクッションが入るため、他のフリマアプリよりかはこういった高額カードは安心できる感じです。
どんなサービスか気になる方は、まだお時間がありましたらこちらの記事も合わせて見てみて下さい。
https://cuberoomblog.com/magi-point-2/
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