世界で初めて作られたトレーディングカードゲーム『マジック:ザ・ギャザリング』
一番歴史の長いカードゲームです。
そして、このカードゲームをやったことない人も名前くらいは知っているであろう、
超有名なカードがあります。
それが、
Black Lotus/ブラックロータス
昔からマジック:ザ・ギャザリングをしている人にとっては憧れと言っても良いくらいのカードになります。
僕は持っていませんが、いつかオーナーになりたいとつくづく思います。
このカードが有名な理由としては、おそらく
「値段」ではないでしょうか?
あー、あのめちゃくちゃ高いカードでしょ?
なんか分からないけど、1枚で高級車1台くらいするやつね。
宝くじが当たらないと買えないやつじゃん
と基本的には《Black Lotus/ブラックロータス》に付いた、価値のイメージが凄いです。
何故こんなにも高騰してしまっているのか?
そこまではあまり知られていないと思います。
とてもレアだからでしょ?もう手に入らないからでしょ?
根本的に言ったらそうなのですが、この記事ではもっとそこらへんを深堀していきたいと思っています。
《Black Lotus/ブラックロータス》について、簡単に知っておきたいという方は是非見ていってくれたら嬉しいです。
Black Lotus/ブラックロータスってどんなカード?
《Black Lotus/ブラックロータス》のカード効果
召喚に必要なコスト(0)
カードタイプ:アーティファクト
(T),Black Lotusを生け贄に捧げる:好きな色1色のマナ3点を加える。
マジック:ザ・ギャザリングで最初に発売されたパックに収録されているカード
《Black Lotus/ブラックロータス》は最初のパックに収録されたカードです。
1993年8月にマジック:ザ・ギャザリングは、この世に生まれました。
このカードゲームは「リチャード・ガーフィールド」というゲームデザイナーがデザインした、世界初のトレーディングカードゲームです。
MtGの生みの親、神様ですね。
【MTG】マジック・ザ:ギャザリングの超貴重カードの1つ、リチャード・ガーフィールドのプロモカードをまとめてみた
最初に発売された製品名は『リミテッド・エディション』と呼ばれます。
収録カードは全部で302種類です。
『リミテッド・エディション』は予想以上の売れ行きで、すぐに在庫がなくなってしまいます。
そして人気過ぎたため、再印刷されて再販されました。
この最初に発売されたパックを世間ではアルファと呼び、再印刷されたパックをベータと呼んでいます。
なのでアルファが第一弾、ベータが第二弾ではなく、アルファとベータは両方とも第一弾になります。
強力すぎるカード効果
《Black Lotus/ブラックロータス》のカード効果は、自身を生け贄に捧げると好きな色のマナ1色を3つ出せるという効果です。
これがとてつもなく使い勝手の良い効果なのです。
ガーフィールドさんしっかりテストプレイしましたか?(おっと誰か来たようだ)
最初は302種類で遊ぶ予定のカードゲームだったため、そこまで考えていなかったのだろうなと個人的に思うくらいにリミテッド・エディションのカードはぶっ壊れています。
マナを3点出すだけでしょ?別にゲームを終わらせるような特別な効果があるわけでもないんだし言い過ぎでは?
マジック:ザ・ギャザリングというカードゲームは、マナが無ければほぼ何もできないゲームです。
さらに白、青、黒、赤、緑と5色に分かれています。そして、それぞれその対応した色のマナがないと使用できないようになっています。
基本土地といって、それぞれの色に対応したマナが出せるカードが採用されています。
それは1ターンに1枚しか出せないルールとなっているため、1ターン目に1マナ必要なカード、2ターン目に2マナ必要なカードを出せるようなります。
そうやってマナを毎ターン貯めていき、ゲームを展開して勝利に繋げるゲームなのです。
マナが基本となるゲームだから、マナがたくさん出るカードもあっても良いでしょ?
良いと思います。ゲーム性を考えるとそういったカードも必要です。
ただ、何のデメリットもなく出せるのはゲーム性を破壊してしまいます。
デメリットは《Black Lotus/ブラックロータス》を生け贄に捧げるくらい・・・。
それで充分と思ったリチャード。まぁ最初だし良いんじゃない?くらいの感覚ですか?
これくらいのエキサイティングなカードがないと、盛り上がらないだろ?くらいだったのかもしれません。
《Black Lotus/ブラックロータス》は
0マナで1ターンにデッキ制限枚数分出せる
という点が驚異的です。
マジック:ザ・ギャザリングのデッキ構築ルールとして、基本土地カード以外は同じカードは4枚まで入れることができるというのがあります。
当時は《Black Lotus/ブラックロータス》を4枚までデッキに採用できたのです。
これは、例えば最初の手札に《Black Lotus/ブラックロータス》が4枚来た場合、マナコストが(0)なため初手で4枚場に出せます。
その時点で、なんと12マナも初手で生み出せる場が整うのです。
そう、12ターン分もの工程が初手で完了します。ぶっ壊れていますね。
しかし、当時はこんなにマナが出せても上手くはいかないようなカードプールでした。
たくさんマナがあれば初手からこういった、パワータフネスが大きい巨大クリーチャーを出すことが可能です。
当時の巨大クリーチャーも魅力溢れるデザインなのですが、すぐに勝負を終わらせるほどのカードパワーはありませんでした。
《奈落の王》は毎ターンクリーチャーを生け贄に捧げなければ自分に7点のダメージ、《大地の怒り》は毎ターン緑マナを4つ支払わないと自分に8点ダメージを与えます。
このように、強力な巨大クリーチャーを使うにはそれ相応のデメリットがあったのです。
さらに召喚酔いといって、出したターンは攻撃できないため次のターンにデメリットをクリアしてやっと動かせるといった、ゲーム性を考えさせる素晴らしいデザインをしています。
さすがリチャード!やはり天才じゃった。
おや?シヴ山のドラゴン?デメリットはないですね。むしろマナがあるだけ強化されるし飛んでるクリーチャー。なんだこのヤバいカードは。
(こんなことはまずありえませんが、《Black Lotus/ブラックロータス》4枚出して赤マナ12マナ生み出してシヴ山のドラゴンを2枚出すと、次のターン10点ダメージ、さらに次のターン10点で3ターンでゲームエンドですね!)
それでも、マナが3つも出せるというのは最初の302種類の中で遊ぶだけでも、かなり強力な部類に入ると思います。(2枚あれば初手でシヴ山のドラゴン出せるんだもの)
パワー9を使えばさらにクソゲーに
クソゲーという言葉はこの伝統的なカードゲームに対して失礼かもしれません。先にお詫びしておきます。申し訳ありません。
・ブラックロータスと同様に0マナアーティファクトで1マナですが、マナを出せるモックス5種類
・3ドローできるカード
・墓地と手札をデッキに加えて7枚ドローできるカード
・低コストで追加ターンできるカード
これらを上手く使えば、初手で勝利できるクソゲーができます。
色々な流れがありますが、
結果的に21マナ貯まれば勝利です。
《Ancestral Recall》で3ドローを繰り返して、ブラックロータスやモックスを場に出していきます。
《Time Walk》で追加ターンを得て、通常ドローしつつ基本土地も貯めたりできます。
手札がなくなってくると、《Timetwister》で7枚ドローを行います。
これらで場にモックスやブラックロータス、基本土地により21マナ出せるくらい貯まったら
火の玉のようなX点火力でゲームエンドです。
これだから、パワー9と言われてしまうんですよね・・・。
条件は相手も一緒なので、先手有利のカードゲームという結果になるわけです。
このようにマジック:ザ・ギャザリングとは、マナが基盤となるゲームです。
なのでデメリットなしで、「沢山のマナが出る」=「強い」になります。
そして、その頂点に立つのが
《Black Lotus/ブラックロータス》なのです!
最初期のルールは40枚デッキ、枚数無制限
※追記になります。
マジック:ザ・ギャザリングの最初のルールは現在の60枚デッキ同じカードは4枚までではなく、
40枚デッキ、同じカードは何枚でも入れて良い
というものでした。
これにより、上記の動きよりさらに強力な動きを取っていたのです。
ブラックロータス、チャネル、火の玉の3種類で構成されるデッキでワンターンキルを展開していました。
それぞれ13枚ずつ入れて、残りの1枚は「山」というデッキです。
《チャネル》というカードは自分のライフ1点を1マナに変えることができる効果を持っています。
これにより容易に21マナ貯めることが可能です。
これはクソゲーですね。
現在は制限カードに指定されている
現在、ブラックロータスを含むパワー9すべてはエターナル・フォーマットの「ヴィンテージ」でしか使用することはできません。
しかも「制限カード」に指定されており、デッキに1枚までしか入れることができなくなっています。
ヴィンテージは現在のカードプールほぼすべてが使用可能なフォーマットです。
制限カードに指定されていたところで、ブラックロータス1枚は入れ得なのは間違いないためほぼ必須カードしてデッキに入れられ楽しまれています。
《Black Lotus/ブラックロータス》は3種類ある
《Black Lotus/ブラックロータス》という同名同効果のカードは、3種類存在しています。
・リミテッド・エディションのアルファ版
・リミテッド・エディションのベータ版
・アンリミテッド・エディション版
アルファ版とベータ版の違いは?
アルファ版 | ベータ版 |
違いはカードのカット形状です。
アルファ版はカードの四隅がかなり丸みを帯びている形状でカットされています。
ベータ版はそこが修正されて、アルファ版に比べると丸みが四角形状となっています。
その後のセットはベータ版のカット形状で販売されているため、アルファ版のカットは非常に珍しいカードになります。
ちなみに、第4版とアイスエイジの一部のカードにもこのアルファカットが混じっていることがあります。
アンリミテッド・エディション版は白枠
基本セットで再録されるカードは白枠になるというルールがあったため、第2弾にあたるアンリミテッド・エディションはすべて白枠で登場しました。
何故《Black Lotus/ブラックロータス》はこんなにも高騰してしまっているのか?
これはwisdom guildというサイトで確認した、3種類を平均した《Black Lotus/ブラックロータス》の価格推移になります。
期間は2011年~2020年11月までです。
多少の上下はありますが、常に右肩上がりですね。
それぞれの2020年11月の相場として
アルファ版:¥8,000,000~¥10,000,000
ベータ版:¥4,500,000~¥6,500,000
アンリミテッド版:¥900,000~¥1,000,000
といったとんでもない価格をしています。
海外のサイト『eBay』でもよく出品がありますので、現在の価格相場を知りたい方は参考までに見て頂けると凄さが分かります!
eBayで「ブラック・ロータス」を探してみる
何故こんなにも高騰しているのでしょうか?
・総数が少ない
・再録禁止である
・強い効果
・状態が良いものが少ない
・資産価値があるものだという認識が定着している
こういった理由が、個人的ですが考えられます。
総数が少ない
Today some very early CCG history was unearthed
Peter Adkison (WotCs original CEO) has shared the official printing numbers for #MTG Limited ed print run
(aka Alpha / Beta)—Alpha: 26000 starters, 70000 boosters (7.83m cards)
Beta: 78000 starters, 210000 boosters (2.61m cards) pic.twitter.com/X9PkC3cZIY— Rands posts TCG history (@CCGHistory) March 5, 2021
黒枠が入っているアルファのパックと、ベータのパックの当時生産された数が公開されています。
アルファ:26,000スターターと70,000ブースター(約261万枚)
ベータ:78,000スターターと210,000ブースター(約783万枚)
封入されているレアを単純に計算すると
1種類あたり、
アルファ:約1,000枚
ベータ:約3,000枚
となります。
アンリミテッド版(白枠)に関してはさらに多いのですが、黒枠に関してはかなり希少度が高いことが伺えます。
再録禁止である
《Black Lotus/ブラックロータス》はアンリミテッド・エディション以降、再録されていません。
これはWotC(ウィザーズオブザコースト社)が掲げた独自のルール「再録禁止」が適応されているからです。
このルールが適応されているカードは、WotCがルールを撤廃しない限り永遠に新しく同じカードが登場しないことになります。
この再録禁止が適応されているカードなため、既存の《Black Lotus/ブラックロータス》はどんどん希少になっていき、高騰の要因となっていると考えます。
強い効果
上記で書いたように、《Black Lotus/ブラックロータス》は非常に強力な効果を持っています。
カードゲームとして、強い効果というのは基本的に需要があるということになります。
ゲームとしても使いたいカードということなので、欲しい人が多くなり結果的に高騰に繋がると思います。
状態が良いものが少ない
1993年、当時はカードを守るという概念はそこまでありませんでした。
なのでノースリーブで遊ぶことがほとんどです。
そのため、美品を探す方が難しいという状況に現在はなっています。
コレクターはやはり状態が良いものを欲する傾向になります。
なので状態が良いものほど市場から早く消えていくのです。
そして、その状態が良いものを手放す場合は、購入した金額より高く出すはずなのでその繰り返しでおのずと高騰していくと考えます。
実際に状態が良いものはかなり少なく、TCGの状態鑑定を専門とするPSA鑑定機関の記録でもアルファの《Black Lotus/ブラックロータス》の点数10(最高点)は7枚のみです。
資産価値があるものだという認識が定着している
ここまで高額になっているのにも関わらず、まだ価格が伸びていることは世間の認識がこのカードは常に値上がるものだとなっているからかと思います。
このイメージがあるため、《Black Lotus/ブラックロータス》は資産に充分になり得るものだという認識になっているのではないでしょうか。
実際、自分も《Black Lotus/ブラックロータス》だったら、これ以上値上がっても不思議じゃないなって思っている節があります。
現在の値段でもかなり凄いのですが、これ以上伸びる見込みがあるのはただただ恐ろしいカードですね。
ブラックロータスはとんでもない値段になっている
2019年にはBGS鑑定品で点数9.5のアルファ版のブラックロータスが、なんと1800万円越えの価格で落札されています。
これ1枚で家が買えるような価値になっているカードです。
さらに、2021年では
これはまた凄いのが(;´д`) https://t.co/13mMoTvsk6
— きゅーぶ (@cube_mtg) January 18, 2021
PSA鑑定の最高グレード10のアルファ版ブラックロータスが出品されています。
しかも、ケースにアーティストのサインまで入っている1品です・・・。
これはかなり高額になると予想されます。
追記:落札結果が出ました!約5,300万円で落札されたようです。凄い(;’∀’)
完全美品の最も古いブラックロータスなので、凄すぎますよね。
最後に
本記事では《Black Lotus/ブラックロータス》について書かせて頂きました。
記事タイトルにあるように、「少しだけ」《Black Lotus/ブラックロータス》について知った気になれたのであれば嬉しいです。
本当に魅力的なカード、そして魅惑のカードですね。
リチャード・ガーフィールドもこんなことになるなんて夢にも思わなかったのでは?やはりテストプレイは大事ですね。
当時はマナバーンというルールもあったため、マナを出したところで使い切れなく自身にダメージを与えるカードという感じで言われてたころが懐かしいです。
2010年(この記事を書いている10年前)は白枠で¥100,000くらいだったのに・・・
買っておけばぁぁぁああ(´Д`)
このような高額カードは信頼できる人かショップで購入をおすすめします。
鑑定済みを狙っている場合はフリマアプリとかでも出品されていることがあるため、確認してみるのも手です。
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